Steamの新機能「言語別レビュー」で明らかになったのは、日本語レビューだけが他言語よりも辛口だという事実。
なぜ同じゲームなのに、日本語だけ評価が厳しく見えるのでしょうか?
そこには、教育や文化に根ざした「日本人特有のレビュー傾向」が隠れていました。
言語別レビュー機能の登場と話題化
2025年8月、Steamはユーザーレビューを言語ごとに分けて表示する機能を導入しました。
これにより、ゲーム評価がユーザーの使用言語ごとに見えるようになり、SNSやゲームメディアでは「日本語レビューがやけに厳しい」と大きな話題に。
実際、あるゲームが全体評価「非常に好評」でも、日本語レビューだけを見ると「賛否両論」や「やや不評」になるケースが相次いでいます。
では、本当に日本人は海外ユーザーより厳しいのでしょうか?
日本語レビューが厳しく見える理由

実際の調査によれば、日本語レビューの低評価率は全言語平均より約4〜8%高いとされています。
例えば、ある調査では全体平均の低評価率が15.6%に対し、日本語は19.9%。
サンプル数も英語や中国語に比べて少ないため、低評価が目立ちやすくなるのです。
そこには、レビュー以外にも通じる日本の文化が背景にあります。
1. 的確で細かいフィードバック文化
日本語レビューは「ストーリーが分かりにくい」「翻訳が直訳っぽい」「フレームレートが安定しない」といった具体的な指摘が多い傾向があります。
- 事例:ドラゴンズドグマ2
全体評価は「好評」(約80%好評)ですが、日本語レビューは「やや不評」(約40%好評)。
英語レビューが「爽快なアクション!」と短くポジティブなのに対し、日本語レビューではローカライズの不自然さやNPC挙動の問題など細部への言及が目立ちました。

こうした詳細なレビューは厳しく映りますが、実は開発者にとって改善の手がかりとなる貴重なフィードバックです。
2. 満足したら黙って楽しむ傾向
日本人ユーザーはゲームに満足してもレビューを残さず、不満がある場合にのみ長文で書き込む傾向があります。
結果として、低評価がスコアに強く反映されやすいのです。
3. 日本文化と「褒めない」習慣
日本社会では「良い点を褒めるより改善点を挙げる」ほうが誠実とされやすく、レビューにもその傾向が表れます。
- 事例:ELDEN RING
世界的には「圧倒的に好評」(約95%好評)ですが、日本語レビューは「非常に好評」(約85%好評)とやや低め。
コメントも「ボス戦は楽しいがUIが不便」「難易度が理不尽に感じる」など、肯定と同時に課題を指摘する内容が多く見られます。

欧米レビューの「最高!」「傑作!」といった直球の称賛との対比は、日本文化の特徴を端的に示しています。
4. Amazonレビューにも共通する現象
この傾向はSteamに限らず、Amazonレビューでも見られます。
グローバル平均4.5星の商品が、日本では3.8星に留まることも珍しくありません。
理由は同じく「欠点を具体的に書く」「満足したら黙って使う」スタイルが主流だからです。
つまり、日本語レビューは「厳しい」よりも「詳細で実用的」だと言えます。
日本語レビューがもたらす影響

プレイヤーにとって
- 購入前に「翻訳の質」「技術的な問題点」を把握できる
- 全体評価だけでは見えないリスクを予測できる
開発者にとって
- 不具合やローカライズの改善点を具体的に把握できる
- 日本市場向けに質を高めるヒントが得られる
実際、『サイバーパンク2077』では日本語レビューでの批判を受け、後のアップデートで翻訳改善が行われました。
日本語レビューを賢く活用する方法
- 言語別スコアを比較する
- 「全体評価」と「日本語評価」の差をチェックし、翻訳や技術面の問題を把握する。
- レビュー内容を読み込む
- 数値よりもコメントに注目。改善点が自分にとって許容できるかを判断する。
- 自分もレビューを書く
- 不満だけでなく「良い点」も一言残すと、よりバランスの取れた評価が形成される。
まとめ
日本語レビューは確かに辛口に見えますが、その背景には文化的特徴と行動習慣があります。
- 不満点を的確に指摘する詳細なレビュー文化
- 満足したときにレビューを残さない習慣
- 「褒めるより改善点を挙げる」日本特有の価値観
その結果、スコアは厳しく映りますが、内容自体は極めて実用的。
プレイヤーにとっては購入判断の参考に、開発者にとっては改善のヒントに。
「日本語レビューは厳しい」理由を踏まえながら、その価値をうまく活用していくことが、今後ますます重要になるでしょう。