任天堂は4月23日、公式Xを更新し、新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」(6月5日発売)の抽選販売に約220万人の応募があったことを明らかにしました。
その上で、「相当数が当選しない」とし、古川社長が謝罪を表明。

本記事では、このお詫びに至った経緯や背景、考えられる要因についてまとめていきます。


厳しかった抽選予約の応募条件

任天堂はマイニンテンドーストアにて、Nintendo Switch 2の抽選予約を実施していました。
そして今回、この抽選には特定の応募条件が設けられており、それが話題になっていました。

応募条件
  • Nintendo Switchのプレイ時間が50時間以上
  • Nintendo Onlineへの累計加入期間が1年以上

これらは明らかに転売対策と見られ、SNS上ではおおむね好意的に受け止められていました。

しかも本体価格が約5万円と、任天堂ハードとしては高額な設定だったことから、
「応募者はそこまで多くないかも?」「もしかしたら全員当たるのでは?」という期待も一部には流れていました。


お詫びに至った理由はなぜか?

想定を大きく上回った応募数

4月23日、古川社長はXにて次のように投稿しています。

「抽選応募数が約220万で、相当数の方が当選しない見込みです。事前に準備を進めていたにもかかわらず、皆さまのご期待にお応えできないことを深くお詫びいたします。」
(任天堂の公式Xより)

ここでポイントとなるのは、「生産が間に合わない」ではなく、「マイニンテンドーストアから6月5日に届けられる数量を超えてしまった」という説明がされていることです。

つまり、いくつかの複合的な要因が絡んでいる可能性があります。


マイニンテンドーストアの数量の限界とは

要因①:マイニンテンドーストアの配送キャパシティの限界

Nintendo Switch 2は当然ながら物理商品。
発売日である6月5日に一斉に届けるには、配送業者との事前調整が必須です。

物流には限界があります。任天堂としても配送会社としても、マイニンテンドーストア向けに割けるキャパシティには限りがあり、
今回はそれを超える応募があった可能性が高いです。


要因②:ストア割り当ての在庫数をオーバーした

任天堂としても、全在庫をマイニンテンドーストアで販売するわけにはいきません。
家電量販店などにも一定数を割り当てる必要があります。

つまり、ストアに確保されていた分をはるかに上回る応募があったということ。

古川社長もポストの中で「全国のゲーム取扱店やオンラインショップでも購入可能です」と述べており、ストア外の流通も意識していたことが分かります。

また、アメリカでは関税の影響で予約受付が遅れていたという事情もあり、全世界の在庫バランスを調整する必要があったのかもしれません。


任天堂は応募数を予測できなかったのか?

プレイ時間や加入歴などの応募条件から、応募可能なユーザー数は任天堂としても把握していたはずです。
そして、ストアで捌ける在庫数も当然ながら事前に決まっていたはず。

つまり、「キャパを超える応募になる」ことは、任天堂としてもある程度予測していたのでは?とも考えられます。

もしもっと応募数を絞りたければ、「プレイ時間100時間」「加入歴3年以上」といった厳しめの条件にすることもできたでしょう。

ただ、それでは「条件が厳しすぎる!」という反発も起こりかねない。
そこで、50時間+1年加入という“ギリギリ許容されるライン”に落とし込んだのかもしれません。

「抽選倍率はある程度高くなる」ことまで読んでいたとすれば、
今回の謝罪も、ある意味“想定内の対応”だった可能性もあります。


社長謝罪の影響と意味、任天堂の誤算

ポジティブな面

  • 外れたユーザーへの不満緩和
  • 他販売チャネルの需要促進
  • 高い関心・人気を示す材料になる

ネガティブな面

  • 転売屋へのシグナルとなり、プレミア化リスクが上昇

PS5のときのように、抽選倍率が高まったことで一部で高額転売が発生する可能性は否定できません。

ただし、今回は半導体不足などの外的要因は解消されており、
古川社長も「生産体制をさらに強化する」と明言しています。


任天堂の唯一の“誤算”?

ひとつ想定外だったのは、5万円という価格設定が好意的に受け入れられたことかもしれません。

ネット上では、「思ったより安い」「任天堂が頑張った価格だ」といった声が多数見られました。
海外版との価格差(約2万円)もあり、国内向けの価格設定にお得感を感じた人が多かった印象です。


抽選はまだまだ続く

第1回の抽選は終了しましたが、第2回は4月28日から開始されます。
第1回で外れた人は自動的に繰り越し対象となり、第3回・第4回へと続く可能性も高いです。

また、4月24日からはビックカメラなど全国の量販店やオンラインショップでも、順次抽選受付が開始されます。

初回で当選しなかったとしても、チャンスはまだまだあります。
慌てず、次の抽選に備えましょう!