Nintendo Switch 2が発表され、ゲーム業界で大きな話題となっています。
2025年6月5日の発売に向けて、大幅にパワーアップした性能や、「エルデンリング」や「サイバーパンク2077」などの大型タイトルの移植発表により、期待が高まっています。
一方で「本当にNintendo Switch 2は成功するのか?」「Wii Uのように失敗するのではないか」という懸念の声も少なくありません。
この記事では、Nintendo Switch 2が抱える3つの不安要素について解説します。

『Nintendo Switch 2』は正統進化したアップグレード版

Nintendo Switch 2は、全世界で1億5千万台以上を売り上げた初代Nintendo Switchの正式後継機として登場しました。革新的で唯一無二であった本体デザインを基本的に継承しつつ、性能を大幅に向上させた正統進化型のゲーム機です。

Nintendo Switch 2 主な進化ポイント
  • ディスプレイが6.2インチから7.9インチに大型化(フルHD解像度)
  • 120Hzリフレッシュレート対応、HDR10対応
  • NVIDIA社製カスタムプロセッサーを搭載し、グラフィック性能が大幅向上
  • 映像出力は最大4K/60FPSまたは1080p/120FPSに対応
  • 本体ストレージが256GBに増量(初代は32GB)
  • 新機能として「Cボタン」で起動するゲームチャット機能を搭載
  • Joy-Con 2がマウスのように使用可能になるポインター機能を実装

性能が大幅に向上したことで、初代Nintendo Switchでは実現が難しかった大型タイトルの移植が実現し、「エルデンリング」や「サイバーパンク2077」の発売も決定しています。
本体価格は49,980円(税込)となっています。

『Nintendo Switch 2』の3つの不安要素

1. Nintendo Switchからの変化が少ない

正統派の進化という点では評価できますが、一方で「見た目を含めて代わり映えしない」という意見もあります。任天堂ハードの歴史上最大の失敗作とされるWii Uも、「Wiiの周辺機器なのか、新型本体なのか分かりにくい」という点が失敗要因として指摘されていました。

Nintendo Switch 2についても、ゲームに詳しくないユーザーからすれば、単にNintendo Switchのバリエーションの一つとして認識されてしまう可能性があります。また、発売当初は多くのソフトが初代機とのクロスプラットフォーム(いわゆる「縦マルチ」)で発売される可能性が高く、急いで新型機に買い替える必要性を感じないユーザーも多いでしょう。

2. 本体価格およびソフト価格の高さと世界情勢の不安定さ

本体価格が49,980円という設定は、ゲーム機としては決して安くありません。ゲーム愛好家からすれば「妥当な価格」と捉えられても、一般消費者にとっては高価な買い物です。さらに周辺機器やソフトを揃えようとすると、容易に10万円を超える出費となります。

また、『Nintendo Switch 2』ではソフト価格も上昇しており、「マリオカートワールド」は8,980円と、これまで基準をを超える価格設定になっています。
このような価格設定は「子供向けゲーム機」というイメージからは遠ざかり、より「大人向け」の製品という位置づけになっています。そのため、子どもに買い与える親の数が減少する可能性も考えられます。

さらに世界的な情勢不安により、各国での価格設定が不安定なことも課題です。特に米国のトランプ関税政策の影響で、国際的な価格差が拡大する可能性があります

日本国内でも物価高や増税の影響で可処分所得が減少する中、5万円のゲーム機という娯楽に投資するユーザー数については、楽観視できない状況です。

3. 「任天堂機は2世代連続で成功しない」というジンクス

これは科学的根拠はありませんが、任天堂ファンの間では「任天堂ハードが2世代連続で大成功することはない」というジンクスが語られています。

実際の歴史を振り返ると、大ヒットしたファミコンの後にスーパーファミコンも成功しましたが、その後のNINTENDO64は予想ほどは売れませんでした。
GameCubeも苦戦し、次のWiiで大成功を収めた後、Wii Uは歴史的な失敗作となりました

そしてNintendo Switchで再び大成功を収めた後の今回のNintendo Switch 2については、このジンクスを気にする声もあります。

特に今回は高性能を前面に打ち出している点がWii Uと類似しており、前世代機からの明確な差別化ができなければ、同様の失敗を繰り返す可能性を懸念する声もあります。

成功に必要なもの:ソフトの力

これらの不安要素を乗り越えるためには、結局のところソフトウェアの力が重要でしょう。
Nintendo Switchが大成功した最大の理由の一つは、発売と同時に登場した「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」の圧倒的な完成度の高さにありました。

また、「1-2-Switch」や「スーパーマリオ オデッセイ」など、Joy-Conの特性を活かした斬新なプレイ体験も大きな魅力となりました。

Nintendo Switch 2においても、ローンチタイトルである「マリオカート ワールド」の評価や、新機能であるゲームチャット・マウス機能がどれだけ魅力的に訴求できるかが成功のカギとなるでしょう。

また、「カービィのエアライダー」や「メトロイドプライム4 ビヨンド」など、期待の独占タイトルが早期に揃うことも重要です。さらに、Nintendo Switch 2独自の機能を活かした体験の提供ができれば、初代機からの買い替え需要を喚起することができるでしょう。

補足:Nintendo Switch 2 のローンチタイトル

Nintendo Switch 2の発売日(2025年6月5日)には以下のソフトが発売予定です:

『Nintendo Switch 2』と同時に発売されるタイトル
  • 『マリオカート ワールド』
  • 『Nintendo Switch 2のひみつ展』
  • 『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』
  • 『龍が如く0 誓いの場所 ディレクターズカット』
  • 『DELTARUNE』
  • 『シャインポスト Be Your アイドル!』
  • 『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』
  • 『ストリートファイター6』+YEARS1-2 FIGHTERS EDITION+amiibo
  • 『スプリット・フィクション』
  • 『ホグワーツ・レガシー』
  • 『ヒットマン ワールド・オブ・アサシネーション SIGNATURE EDITION』
  • 『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII Nintendo Switch 2 Edition』
  • 『サバイバルキッズ』
  • 『祇:Path of the Goddess』
  • 『ぷよぷよテトリス2S』
  • 『龍の国 ルーンファクトリー Nintendo Switch 2 Edition』
  • 『アーケードアーカイブス2 リッジレーサー』
  • 『信長の野望・新生 with パワーアップキット Complete Edition』
  • 『フォートナイト』
  • 『Fast Fusion』
  • 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド Nintendo Switch 2 Edition』
  • 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition』

23本ものソフトが本体と同時に発売となります。
ただ、すでに他機種で発売されているソフトだったり、Switch版からのアップグレード版も含んでいるため、『Nintendo Switch 2』でしか遊べないソフトは少ないです。

任天堂も『マリオカートワールド』と『Nintendo Switch 2のひみつ展』の2本のみがオリジナルタイトルのため、『マリオカートワールド』でどれだけ購買意欲を高められるかがポイントになるでしょう。

まとめ

『Nintendo Switch 2』に関する不安要素について解説しました。

本記事のまとめ
  • 見た目や機能面での進化が分かりづらく、初代Switchとの差別化が課題
  • 価格の高さと物価上昇など外部要因により、購買ハードルが上昇
  • ソフトラインナップや独自体験の提供が成功のカギとなる

Nintendo Switch 2は、性能面で大きく進化し、期待のソフトも揃いつつある一方で、「初代Switchとの差別化の難しさ」「価格の高さと経済情勢の不安」「Wii Uとの類似やジンクス」といった懸念も存在します。

これらの不安を払拭し成功に導く鍵は、ハードの進化以上にソフトウェアの訴求力にあります。Switch 2独自の魅力を体験できるタイトルや新機能が、どれだけユーザーの心をつかめるかが、今後の運命を左右すると言えるでしょう。