任天堂が2025年1月のCESで、発表前の段階だった「Nintendo Switch 2」の周辺機器および本体のモックアップなどを無断で公開した周辺機器メーカー「Genki」を商標権侵害の疑いで提訴しました。
本記事では、このSwitch2リーク騒動の訴訟経緯、訴状内容、そして今後の業界への影響について、現時点で明らかになっている情報を詳しく解説します。
Switch2リーク騒動とは?GenkiがCESで公開した内容と業界への衝撃

周辺機器メーカーの「Genki」は、2025年1月にラスベガスで開催されたCES 2025において、当時未発表だったNintendo Switch 2(以下、Switch2)のモックアップを展示し、ゲーム業界内外に大きな衝撃を与えました。
この展示では、本体のモックアップに加えてレンダリング画像も公開され、以下のような情報が示唆されました。
- 「Joy-Con」への複数の新機能追加
- 本体サイズの大型化
- 本体へのCボタン追加
Genkiは当初、「Switch 2の実機を所有しており正確な寸法を把握している」と主張していたが、後に流出したNintendo Switch 2のCADデータを基に製作したことが明らかになっています。
当時、任天堂からは「Nintendo Switch 2」に関する公式発表が一切なかったため、このGenkiによる突然の公開は、ゲーム業界と多くのユーザーに大きな波紋を広げました。
任天堂は事態を受け、直ちにCES会場に弁護士を派遣。
「GenkiがCESで任天堂のハードウェアであると主張しているゲーミングハードウェアは非公式であり、任天堂が同社に提供したものではない」という声明を発表し、事態の収拾を図っていました。
任天堂の訴状内容とは?Switch2リークを巡る5つの主張

2025年5月2日、任天堂がついに「Genki」を提訴したことが複数のメディアによって報じられました。
カリフォルニア州の裁判所に提出された訴状によると、任天堂はGenkiに対して以下の点を争点として挙げています:
- 商標権侵害: Genkiが任天堂の許可なく「Nintendo Switch 2」の名称と商標を使用した
- 不正競争: 未発表の製品情報を無断で公開し、消費者に混乱を与えた
- 虚偽広告: 違法にアクセスして得た情報を元に任天堂製品との互換性を謳い、消費者をミスリードした
- 違法アクセス: 正規の方法ではアクセスできない情報を不正に入手した疑いがあること
- 互換性の虚偽主張: 正式なハードウェア情報なしに互換性を保証することは不可能であるにもかかわらず、そのような主張を行った
任天堂はGenkiに対し、Switch2に関連する全ての製品の破棄と、今後の任天堂商標の使用禁止を求めるとともに、商標権侵害などによって被った損害賠償を請求しています。
Genkiの公式声明:「任天堂の訴訟に真摯に対応する」姿勢を示す
Genkiは2025年5月4日、この訴訟に関する声明をX(旧Twitter)で発表しました:
翻訳:
「任天堂が最近私たちに対して訴訟を起こしたことをご存知かもしれません。私たちはこれを真摯に受け止め、弁護士と連携して慎重に対応しています。
申し上げられることはこれです:Genkiは常に独立した会社として、私たちが愛するコミュニティのための革新的なゲームアクセサリーの開発に注力してきました。私たちは自分たちの仕事に誇りを持ち、製品の品質とオリジナリティを支持しています。
詳細についてはコメントできませんが、注文の履行や今週のPAX Eastでの新製品の展示準備を続けています。
これまでに寄せられた圧倒的なサポートに感謝します。可能な限り情報を共有しますが、現時点では私たちが最も得意とすることに集中しています:ゲーマーのためのギアを作ることです。」
声明からは、訴訟に真摯に対応しつつも、今後の製品開発と発表を継続する姿勢が伺えます。
今週開催されるPAX EastでのGenkiの製品情報やコメントにも注目が集まります。
任天堂vsGenkiの訴訟はどうなる?今後の展開と業界への影響

この一連の騒動によって、「Genki」という名前は広く知られることとなり、Switch2関連の周辺機器に関心を持つ層への認知度は飛躍的に向上したと言えるでしょう。
しかしその一方で、「Switch2の情報をリークしたメーカー」というイメージが今後も付きまとうことは避けられません。これにより、販売店が任天堂との関係性を重視し、Genki製品の取り扱いを敬遠する可能性も考えられます。
任天堂は訴訟に強く、知的財産権を守るために積極的に法的措置を取ることで知られているため、今回の件についても、任天堂の訴えが認められる可能性は高いでしょう。
裁判費用や賠償金の支払い、そして小売店での販売への影響などが懸念されるため、今回の訴訟がGenkiにとって長期的にプラスとなるかは、今後の裁判の展開とGenkiの対応次第と言えるでしょう。
まとめ
- 任天堂は、未発表のNintendo Switch 2(Switch2)に関する情報をCESで展示・公開した周辺機器メーカー「Genki」を、商標権侵害などの疑いで提訴しました。
- 訴訟の中心は、正式発表前の製品データを基にしたモックアップ展示や、Switch2との互換性を示唆する広告などです。
- GenkiはSNSで声明を発表し、法的対応を進めながらも今後の製品発表を継続する姿勢を示しています。
今後の訴訟の行方とともに、他の周辺機器メーカーの動向や、Nintendo Switch 2の正式発表に関する続報にも注目が集まります。
今後の訴訟の行方とともに、他メーカーの対応やSwitch2の続報にも注目が集まっています。
Nintendo Switch 2は2025年6月5日に発売予定で、価格は日本では49,980円(税込)に設定されています。