『グランド・セフト・オート』シリーズの最新作『グランド・セフト・オートVI』のトレーラー第二弾が公開され、世界中のゲームファンを熱狂させています 。
特に、今作の舞台となるバイスシティの再登場は、シリーズ屈指の人気を誇る『GTA: Vice City』との繋がりを強く感じさせ、ファンの間で様々な考察が繰り広げられています。
本稿では、『GTA6』と過去のGTAシリーズ、特に『GTA: Vice City』との間に見られる類似点や共通点に焦点を当て、登場人物、場所、組織といった要素を比較しながら徹底的に分析します。
『グランド・セフト・オートVI』の舞台と過去作のつながり

『グランド・セフト・オートVI』(GTA6)の舞台は、フロリダ州をモデルとした架空のレオニダ州とその中心都市バイスシティです 。
バイスシティはシリーズ過去作『GTA: Vice City』の舞台であり、ネオン輝くオーシャンビーチ、活気あるリトルキューバなど、馴染み深いロケーションが現代的なグラフィックで再現されます 。
時代背景は現代のアメリカであり、ソーシャルメディアやインフルエンサー文化、現代的な犯罪が描かれます 。主人公ルシアの過去がリバティシティにあることは、『GTA IV』など過去作との繋がりを示唆します 。
『GTA: Vice City』や関連作品

シリーズの中でも『GTA6』と最も関連性の高い『GTA: Vice City』(2002年発売)では、1980年代のマイアミをモデルにし、当時の文化、音楽、ファッションを色濃く反映していました。
主人公トミー・ヴェルセッティの裏社会での成り上がりを描いた物語は、多くのプレイヤーを魅了しました 。
また、その前日譚を描いた『Vice City Stories』(2006年発売)も、1984年のバイスシティを舞台に、元軍人のヴィクター・バンスの視点から裏社会の黎明期を描き出しています 。
『GTA6』と過去作:類似点・共通点の徹底比較分析
登場人物:新たな主人公と再登場キャラの可能性
新たな主人公:ジェイソンとルシア
『GTA6』の物語は、ジェイソンとルシアという二人の主人公を中心に展開します 。
トレーラー映像からは、彼らが犯罪に手を染めながらも、互いに深く愛し合い、困難を乗り越えていくパートナーであることが示唆されています 。
ジェイソンは軍隊に所属していた過去を持ち、現在は地元の麻薬組織で働いているとされています 。
一方、ルシアはリバティーシティ出身で、トレーラーの冒頭ではレオニダ刑務所から出所するシーンが描かれています 。
過去作からの登場人物:フィル・キャシディの再登場か?

トレーラーの終盤には、「Phil’s Ammu-Nation」という武器店のコマーシャルが登場し、そこに映る人物が3Dユニバースの武器商人フィル・キャシディに酷似していると話題になっています 。
フィル・キャシディは、『GTA III』、『Vice City』、『Vice City Stories』に登場し、主人公たちに武器を販売する重要なキャラクターでした 。
特に『Vice City』では、片腕を失うという劇的な出来事を経験しています 。しかし、『GTA6』のトレーラーに登場する人物にはその特徴は見られません 。
トレーラーの人物がフィル・キャシディ本人なのか、彼の息子である可能性も指摘されています 。
もしフィル・キャシディの再登場が実現すれば、3DユニバースのキャラクターがHDユニバースに登場する初の事例となり、シリーズファンにとっては大きなサプライズとなるでしょう 。
場所:バイスシティの再訪と新たな舞台

バイスシティ:80年代のノスタルジーと現代的な進化
『GTA6』の舞台の中心となるバイスシティは、『GTA: Vice City』以来の再登場となります 。
トレーラーでは、オーシャンビーチ、リトルキューバ、VCポートといった、過去作でお馴染みの場所が、現代的なグラフィックで美しく再現されています 。
過去作と比較すると、80年代の雰囲気を残しつつも、高層ビルが立ち並び、より現代的な都市へと進化している様子が伺えます 。
ロケーション | 『GTA: Vice City』での描写 | 『GTA6』トレーラーでの描写 | 備考 |
オーシャンビーチ (Ocean Beach) | アールデコ調のホテルが立ち並ぶビーチリゾート | ネオンサインが輝く現代的なビーチ | 象徴的な場所が現代的に再現 |
リトルキューバ (Little Cuba) | キューバ系住民が多く住む活気のある地区 | 賑やかな市場や文化的な雰囲気が感じられる | 文化的な要素は健在 |
VCポート (VC Port) | 主要な港湾施設 | クルーズ船などが停泊する活気のある港 | 物流拠点としての役割は変わらず |
レオニダ州:バイスシティを取り巻く新たな広大な世界

『GTA6』の舞台はバイスシティだけでなく、フロリダ州をモデルとした広大な架空の州、レオニダ州全体に広がります 。レオニダキーズ、グラスリバーズ、ポートゲルホーン、アンブロシア、マウントカラガといった多様な地域が登場し、それぞれ個性的な景観を持つようです 。
レオニダ州の登場により、『GTA6』は過去作と比較しても非常に広大で、変化に富んだゲーム体験を提供することが期待されます 。
組織:犯罪構造の進化と過去の遺産

現代のバイスシティにおける犯罪組織
『GTA6』のトレーラーには、麻薬密売人、銀行強盗、音楽業界関係者、ストリップクラブオーナーなど、様々な犯罪に関わる人物が登場します 。
これにより、『GTA6』では、従来のギャング抗争だけでなく、より多様な犯罪が描かれる可能性が示唆されています。
過去作の組織の再登場:フォレッリファミリーの可能性
『GTA: Vice City』で大きな勢力を誇ったマフィア組織、フォレッリファミリーの動向は、ファンにとって大きな関心事です 。
主人公トミー・ヴェルセッティとの抗争を経て衰退した可能性もありますが 、その影響力が完全に消滅したとは限りません 。
現代のバイスシティにおいて、彼らがどのような形で存在しているのか、注目されます 。
キューバ系とハイチ系のギャング:バイスシティの文化を象徴する存在
『GTA: Vice City』で敵対的な関係にあったキューバ系ギャングとハイチ系ギャングは、バイスシティの文化的な背景を形成する重要な要素でした 。
現代のバイスシティにおいても、これらのギャングが活動を続けている可能性は十分に考えられます 。
バイカーギャング:レオニダ州の新たな脅威

『GTA: Vice City』にも登場したバイカーギャングは、『GTA6』の舞台となるレオニダ州でも重要な役割を果たす可能性があります 。アンブロシア地域では、地元のバイカーギャングが大きな力を持っています 。
過去作に登場した他の組織(例:イタリアンマフィア、トライアドなど)が、バイスシティやレオニダ州に進出している可能性も考えられ、新たな勢力の登場は物語をより複雑にするかもしれません 。
「V-Rock」のTシャツ
トレーラーの中で、ジェイソンが「V-Rock」のTシャツを着ているシーンは、『GTA: Vice City』に登場したヘヴィメタル専門の人気ラジオ局へのオマージュである可能性があります 。
まとめ:『GTA6』は過去の遺産を継承し、新たな進化を遂げるか
『GTA6』のトレーラー第二弾は、『Vice City』をはじめとする過去のGTAシリーズとの深い繋がりを示唆する多くの要素を含んでいました。バイスシティの再登場、フィル・キャシディらしき人物の登場、ルシアのリバティーシティとの繋がりなどは、過去作のファンにとって大きな魅力となるでしょう。
一方で、新たな主人公たちの物語、広大なレオニダ州、現代的なテーマの導入など、新しい要素も満載であり、シリーズの進化を感じさせます。
これらの要素と新しい要素がどのように融合し、『GTA6』がどのようなゲーム体験を提供してくれるのか、今後の情報公開が待たれます。