2025年7月17日に発売される「ドンキーコングバナンザ」は、任天堂がNintendo Switch2向けに送り出す完全新作の3Dアクションゲームです。
Switch2の次世代性能を活かし、4K解像度かつ60FPSで動作する仕様が話題を集めています。

「マリオカートワールド」や「ひみつ展」など、Switch2には複数の注目タイトルが存在しますが、「ドンキーコングバナンザ」はシングルプレイに特化したタイトル。
Switch2の真の性能を示す“ベンチマークソフト”的存在ともいわれています。

本記事では、「ドンキーコングバナンザ」の4K対応やフレームレート事情、ゲームの特徴や技術的背景まで、購入を迷っている方に役立つ情報を詳しく解説します。


「ドンキーコングバナンザ」とは?

「ドンキーコングバナンザ」は、任天堂の看板IP「ドンキーコング」シリーズ最新作です。
開発は「スーパーマリオ オデッセイ」のチームが手がけており、広大な3Dフィールドを舞台にドンキーコングと「マリオシリーズ」でおなじみのキャラクター「ポリーン」が共闘するアクションアドベンチャーとなっています。

本作最大の特徴は、シリーズ初の「すべてのものを破壊可能」というゲームデザイン。
プレイヤーはフィールド上の壁、建物、地形などあらゆるオブジェクトを破壊でき、進行ルートを自分で切り開けます。これは従来の「ドンキーコング」シリーズにはなかった圧倒的自由度です。

Switch2の登場により、任天堂作品としては珍しく破壊表現が大々的にフィーチャーされた本作は、アクションファンやシリーズファンのみならず、次世代機の性能を体感したいゲーマーの注目を集めています。


Switch2の性能を活かす4K解像度と60FPS

「ドンキーコングバナンザ」は、Switch2の強化されたGPU性能や新世代SoC(System-on-a-Chip)を活かし、4K解像度での60FPS動作を実現しています。

任天堂のアクションゲームで60FPSは伝統的に重視されてきたポイントですが、4K解像度という高負荷環境での安定動作は大きなチャレンジです。
本作では、Switch2に搭載された専用の解像度アップスケーリング技術(DLSSに類似したAIアップスケーリング機能)やフレーム生成技術がパフォーマンスを支えています。

これにより、高精細なテクスチャや緻密なオブジェクト表現を維持しつつ、滑らかな操作感が確保されており、特にカメラを高速回転させた際や、破壊表現が発生する場面でも快適なレスポンスを実現しています。


フレームレート低下はある?実際のパフォーマンス

ただし本作の要ともいえる破壊表現は、非常に高い処理負荷を伴います。プロデューサーの高橋氏は、次のように語っています。

「フィールド全体がリアルタイムで壊れるので、特に大規模な連鎖破壊が起きた際に、一瞬フレームレートが落ちる場合はあります。ただ、体感的に操作が遅延するほどではありません。」

実際、破壊表現にはボクセル技術が使われています。
例えば、敵を吹き飛ばして建物を貫通させると、壁が細かく砕け散り、その破片が周囲の環境にも影響を及ぼします。
こうしたリアルタイム演算が大きな負荷となるため、一部でフレームレートが50台前半まで落ちることが確認されていますが、極端な処理落ちには至っていない模様です。

なお、PS5の「アストロボット」なども破壊演出は導入していますが、床の破壊は「ステージ進行に影響を及ぼす」との理由で制限されています。
その点、「ドンキーコングバナンザ」は地形すら壊せる点が大きな差別化要素となっています。


ボクセル技術とは?

「ドンキーコングバナンザ」の破壊表現を支えるのが、ボクセル技術です。
ボクセル(Voxel)は「Volume Pixel」の略で、3D空間を細かな立方体で表現する技術
従来のポリゴンよりも破壊や変形の表現に強みがあり、破壊後の形状を物理的にリアルにシミュレーションできます。

本作ではこのボクセル技術を活用し、壁や岩、建物などを破壊すると、粉塵や破片がリアルに飛び散る演出が可能。
例えばバナナキャノンで大砲を撃ち込むと、その爆風で壁がモザイク状に崩壊し、残骸が地面に積もるなど、見た目にも非常に派手です。

Switch2の高速ストレージもこの表現を支えており、破壊後に瞬時に環境データが再生成されるため、ロード時間を感じさせないのも大きな魅力です。

参考:ゼルダでもボクセル技術が使用されていました
『ゼルダの伝説 ティアキン』トーレルーフの実装に特別なことは何もしていない。地形情報へのアクセス、地形制作の自動化、デバッグ環境の充実が融合して誕生【CEDEC2024】


「ドンキーコングバナンザ」の魅力

「ドンキーコングバナンザ」のゲーム内容は、破壊だけではありません。以下のような魅力があります:

  • ステージごとに変化するギミック
    巨大なハチの大群から逃げたり、建物崩壊の中を走り抜けたりと、緊張感あふれる演出が満載。
  • 様々な遊びが詰め込まれた移籍チャレンジ
    制限時間内に敵を倒すシンプルなものから、ひらめきが必要なもの、横スクロール面など様々チャレンジが存在。
    攻略することでドンキーコングのスキルを上げることができる。
  • ポリーンとの協力アクション
    ポリーンが音楽を奏でると、一定範囲内の敵がスタンする演出など、シリーズファンがニヤリとする要素も。
  • DKアーティスト
    64DDでリリースされた「マリオアーティスト」を彷彿させる3Dモデルの編集モード。
  • サウンドの豪華さ
    「ドンキーコング トロピカルフリーズ」などで高評価を得たデビッド・ワイズ氏が音楽に参加。
    ファン必聴の熱いBGMが用意されています。
  • プレイボリューム
    メインストーリーは約10〜15時間程度。収集要素や隠しステージを含めると20時間以上遊べるとのことです。

まとめ:Switch2の破壊性能を示す一本

「ドンキーコングバナンザ」は、4K解像度と60FPSというハイスペックを達成しつつ、ボクセル技術による圧巻の破壊表現を実現した、まさにSwitch2の“技術デモ”とも言えるタイトルです。

確かに一部でフレームレート低下はあるものの、それを補って余りある破壊の爽快感と、シリーズらしいユーモアに富んだ演出が光ります。
アクションゲームファンはもちろん、次世代機で「何ができるのか」を体感したい人にとって必見の一本です。

2025年7月17日の発売がいよいよ近づく「ドンキーコングバナンザ」。その豪快なアクションと破壊の快感を、ぜひあなたの目で確かめてみてください!