2024年2月28日に発売された「モンスターハンターワイルズ」は、発売からわずか3日間で800万本の大ヒットとなり、現在では1000万本を超える販売数を記録し続けています。
売り上げ的には大成功を収めていますが、オンラインゲームの宿命とも言える「チーター」「不正行為」との戦いが始まっているようです。
今回はこの問題について詳しく解説していきます。

不正行為への対応:カプコンからの通達

カプコンは2024年4月15日、討伐タイムを競う「闘技大会クエスト」において不正行為を確認したため、報酬配布方法を変更することを発表しました。本来ならランクS賞に与えられる予定だったチャームを参加賞として配布し、1万位以内に配布されるチャームについてはランクS賞として幅広く配布する形に変更されました。

カプコンの公式Xアカウントでは、以下のような対応を発表しています:

【討伐タイムを競うクエストに関する対応について】 現在、「闘技大会クエスト」「チャレンジクエスト」のランキングにおいて、不正または不具合によるクリアタイムを確認しており、明らかに異常なクリアタイムについてはランキングから除外する対応を実施しています。 モンスターハンターワイルズ公式X

この対応について、調査の結果、不正行為を働いたプレーヤーはアカウント停止または利用制限の措置が取られ、ランキングに登録されなくなるほか、イベント報酬も配布されなくなるとのことです。

不正改造データに関する注意喚起

さらに、カプコンは不正改造されたデータに関する注意も公開しました。

この警告は、知らずに不正改造されたクエストに参加してしまうことで、不正行為者と見なされBANなどの対応を受けることがないようにするための注意喚起です。
カプコンは、不正改造されたクエストと思われる場合の判別条件を公開しました:

判別条件
モンハンワイルズ公式

下記の条件に当てはまるクエストは要注意です。

  • 上位クエストでありえないほどの報酬や、異常に高い確率で希少素材が入手できるクエスト
  • 通常ではありえない組み合わせや数のモンスターが登場するクエスト
  • その他、明らかに通常と異なる内容のクエスト

もし不正改造されたクエストに参加してしまった場合は、「できる限りすぐにプレイを中断し、セーブせずにゲームを終了すること」を推奨しています。
また、カプコンは今後のアップデートで不正データへの対策機能を拡充する予定であると発表しています。

「エンドユーザー使用許諾契約」における不正行為の定義

モンスターハンターワイルズの「エンドユーザー使用許諾契約」の「8 禁止事項」には、不正に対する内容が明確に記載されています。特にチート行為に関連する部分として、以下のような禁止事項が明記されています:

8.1.6 本プログラムに不具合があった場合に、当該不具合を意図的に利用する行為。
8.1.7 本プログラムが提供する内容および機能または本プログラムによって提供されるサービスへの妨害行為(BOT、チートツール、その他の技術的手段を利用して本プログラムもしくは本プログラムに関するサービスを不正に操作する行為…)
8.1.8 不正アクセス行為、クラッキング行為、過度な負担をかける行為その他本プログラムの提供に用いるシステムに支障を与える行為。
(モンスターワイルズ「エンドユーザー使用許諾契約」より抜粋)

禁止行為にあたった場合の処置としては、以下の内容が記載されています:

禁止行為があった場合の処置
  • 8.2.1 注意、警告等の改善要求
  • 8.2.2 本プログラムの使用停止または使用制限
  • 8.2.3 本プログラムのゲームにおいてお客様が投稿、掲載、開示等したユーザーコンテンツの削除
  • 8.2.4 お客様が本プログラムのゲーム内において有する本件ゲーム通貨または本件仮想アイテムの失効
  • 8.2.5 その他カプコンが適当であると判断する措置

これらの内容から、カプコンがチートや不正行為に対して厳格な対応をとる姿勢が明確に示されています。

カプコンの過去作におけるチート対応

カプコンは過去のモンスターハンターシリーズにおいても、チート行為に対して積極的に対応してきた実績があります。以下に過去作におけるチート対応の例を挙げます:

モンスターハンター3G/3U(2011年)

カプコンはモンスターハンター3Gにおいて、チートデータを持つプレイヤーを検知するシステムを導入しました。不正なデータを持つプレイヤーはオンラインモードから締め出され、正規のプレイヤーとの交流ができなくなる措置が取られました。

モンスターハンター4/4G(2013-2014年)

モンスターハンター4シリーズでは、データのセーブ構造を複雑化し、改造を困難にする対策が施されました。また、オンラインプレイ時に装備やスキルのチェック機能を強化し、異常な性能を持つハンターを検知できるようにしました。

モンスターハンターワールド(2018年)

PC版モンスターハンターワールドでは、MODの使用に対して明確なガイドラインを設け、ゲームバランスを崩すようなチートに関しては厳しく対応する姿勢を示しました。特にマルチプレイ時のチート行為に対しては、アカウント停止などの措置を実施しました。

モンスターハンターライズ(2021年)

モンスターハンターライズでは、特に闘技場や大会クエストでのランキングに関して、チェック機能を強化。明らかに異常なタイムを記録したプレイヤーはランキングから除外され、場合によってはアカウント停止措置が取られました。

カプコンは一貫して、特にマルチプレイでのゲームバランスを保つためにチート行為には厳しい姿勢で臨んできました。同時に、不正行為に関する通報システムも整備し、コミュニティと協力してクリーンなゲーム環境の維持に努めています。

モンハンワイルズでのチート対応に関するネット上の反応

ネット上では今回のカプコンのチート対応に関して様々な意見が寄せられています。

肯定的な意見

  • 「不正垢追い出すには良い手だった」とチーター対策としての意義を評価する声
  • 「このままチーターまみれのランキングで終わりを迎えるよりは良かった」と現実的な対応として評価する声
  • 「自分みたいに1万位は無理だけどSランクはいけるみたいな人もチャームもらえて嬉しい」と報酬配布方法の変更を歓迎する声

批判的な意見

  • 「対応が杜撰すぎる」「対応が遅い、最初からやっとけ」など対応の遅さを指摘する声
  • 「チーターを排斥してから実装したほうが良かった」と事前対策の不足を指摘する声
  • 「発表が遅すぎた」「仕様変更の発表もあまりに遅すぎる」など情報の公開タイミングに不満の声
  • ランキング上位を目指して時間を費やしたプレイヤーからは「時間とコストの無駄になった」という不満

中立的な意見

  • 「そもそもランキングにしたことは運営のミスだと思いますが今できる対応としては良かった」と状況を鑑みた評価
  • 「討伐時間を競い合うことに何の価値も感じていない」「最初からSランクで特別な報酬くらいで十分」と元々のランキング制度に無関心な意見

全体としては、チート対策を行った点については評価する声がある一方で、対応の遅さや事前の対策不足を指摘する声も多く見られますね。
特に真剣にランキング入りを目指していたプレイヤーからは、事前の告知や対策が不十分だったという不満が強く表れています。

まとめ

モンスターハンターワイルズにおける不正・チート問題は、オンラインゲームの宿命とも言える課題です。
オンラインゲームにおいて、公平性を保つことは非常に重要です。カプコンは今後も不正行為に対する断固たる姿勢を示し続けるでしょうが、「予防」と「早期対応」の両面での取り組みが求められています。

そして私たちプレイヤーも、明らかに不審なクエストや不正と思われる行為には参加せず、必要に応じて通報するなど、クリーンなゲーム環境の維持に協力していくことが大切です。

モンスターハンターワイルズが大ヒットを続ける中、すべてのハンターが公平かつ楽しくゲームを続けられる環境づくりが、今後も重要な課題となっていくでしょう。