【本記事は映画のネタバレを含むためご注意ください】

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』はアメリカで異例の大ヒットを記録しており、日本でもまもなく公開されます。
アメリカでは想像を遥かに超える大ヒットを記録しており、それに伴う炎上や騒動も同時に話題になっています。
日本でも同じようにヒット・炎上するのか?気になるところですよね。
本記事ではアメリカでのヒットと一部の「炎上」問題について解説し、日本での公開時の状況を予測します。

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』とは?公開日や評価

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』(A Minecraft Movie)は、世界的な人気ゲーム「Minecraft」を原作とした実写・CG映画です。
ジャック・ブラックが主要キャラクターの声を担当し、2025年4月4日に北米で公開されました。
映画のあらすじは、4人の若者たちが謎のポータルを通じてマインクラフトの立方体世界「オーバーワールド」へと引き込まれるというものです。彼らは「エキスパートクラフター」であるスティーブ(ジャック・ブラック)の助けを借りて現実世界に戻るための冒険に出ます。
(Wikipedia)

エンターテイメント作品の評価を掲載しているメタクリティックでの評価は低く、批評家スコアが48点前後と振るわない状況です。
多くの批評家が映画のストーリーと笑いのポイントに対して批判的な意見を持っており、「ジャック・ブラックを見るための映画」という評価も少なくありません。Metacritic

アメリカで大ヒットした理由:「チキンジョッキー」現象

公開前の評価も振るわず、ある程度のヒット以上は予想されていなかった『マインクラフト/ザ・ムービー』ですが、大方の予想を覆し、突如としてヒットを記録していきます。

映画『マインクラフト/ザ・ムービー』がアメリカで大ヒットした最大の理由は、若年層の間で爆発的に広がった「チキンジョッキー」現象にあります。

チキンジョッキーとは何か?

「チキンジョッキー」は、ゲーム内でニワトリに乗った赤ちゃんゾンビという非常に珍しいモブ(敵キャラクター)です。
映画では、ジャック・ブラック演じるスティーブがこの「チキンジョッキー」と叫ぶシーンがあります。

ゲーム内のチキンジョッキー(ニワトリに乗ったゾンビ)

SNSで広がったムーブメント

TikTokを中心に、このシーンで劇場内の若者たちが一斉に「チキンジョッキー」と叫び、拍手したり、ポップコーンを投げ散らかしたりする様子を撮影した動画が急速に広まりました。これにより「同じことをしよう」という若者たちが映画館に殺到する現象が起きました。Hollywood Reporter

TikTok上の「チキンジョッキー現象」 ※音声が流れます

「チキンジョッキー」による興行収入の爆発的増加

この現象は北米の興行収入を急増させ、公開初週末だけで約1億5700万ドル(約230億円)という驚異的な数字を記録しました。これはビデオゲーム原作映画としては過去最高の初動となっています。

参考:ビデオゲーム原作映画の興行収入*
  1. スーパーマリオブラザーズ (2023) – 約1億4600万ドル (約214億円) 2023年4月に公開された「スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、3日間の初週末で1億4600万ドルを記録し、当時のビデオゲーム映画としては最高の初動成績でした。5日間の合計では2億460万ドルに達しました。
  2. ソニック・ザ・ヘッジホッグ2 (2022) – 約7100万ドル (約104億円)
  3. ポケモン・デティクティブ・ピカチュウ (2019) – 約5400万ドル (約79億円)
  4. アンチャーテッド (2022) – 約4400万ドル (約65億円)

VarietyRedditBox Office MojoIGN

アメリカでの映画館の混乱と対応

映画館での騒動

「チキンジョッキー」現象により、多くの映画館で以下のような問題が発生しました:

  1. 観客が大声や奇声を上げる
  2. ポップコーンを投げ散らす
  3. 席を離れて踊り出す
  4. 他の観客の映画鑑賞を妨げる

映画館側の対応

多くの映画館が警告を発し、一部では以下の対応が取られました:

  • 事前に注意喚起のアナウンスを実施
  • 問題行動をとる観客の退場処分
  • 特に悪質な場合は警察を呼ぶケースも発生

アメリカのいくつかの映画館では実際に警察が出動する事態も発生しており、プロボ(ユタ州)の映画館では生きた鶏を持ち込んだ観客が退場させられる事件も起きています。KSL

日本でもチキンジョッキー現象は起きるのか?

日本での公開日

マインクラフト映画は2025年4月25日(金)に日本で公開されます。

日本での反応予測

日本でもマインクラフトは人気ゲームですが、映画館での鑑賞マナーはアメリカとは大きく異なります:

日本の映画鑑賞の文化
  1. 日本では静かに映画を鑑賞することが一般的
  2. 大声を出したり物を投げたりする行為は非常に稀
  3. 他の観客への配慮を重視する文化

これらの理由から、日本ではアメリカのような「チキンジョッキー」現象が起きる可能性は低いと考えられます。日本の観客は映画本来の楽しみ方でマインクラフトの世界観を体験できるでしょう。

まとめ

  1. アメリカでの大ヒット: マインクラフト映画は「チキンジョッキー」現象により北米で異例の大ヒットを記録しました。しかし、この現象は映画館での混乱も引き起こしています。
  2. 日本での公開: 2025年4月25日に日本で公開される予定で、日本の映画鑑賞文化を考えると、アメリカのような騒動は起きにくいでしょう。
  3. 映画の評価: 批評家からの評価は必ずしも高くないものの、ファンの間では「ジャック・ブラック」の魅力や原作ゲームへの愛から支持を集めています。

マインクラフト映画は、日本では原作ゲームファンを中心に注目されると予想されますが、静かに楽しむ映画館文化のため、米国のような社会現象にはならないでしょう。
ゲームの世界観を楽しむことを目的とした鑑賞が期待されます。