Nintendo Switch 2が遂に発表され、新型コンソールの詳細が明らかになりました。期待されていた多くの進化点の中で、特に注目を集めているのがディスプレイ仕様です。
前モデルでは有機ELディスプレイを採用した「Nintendo Switch(有機ELモデル)」が登場していましたが、新型のNintendo Switch 2では敢えて液晶ディスプレイ(LCD)が選ばれています。
なぜ任天堂が有機ELではなく液晶を選んだのか、その理由について開発者からのコメントを交えながら解説していきます。
Nintendo Switch 2のディスプレイはLCD液晶
Nintendo Switch 2が発表され、そのディスプレイ仕様は多くのゲーマーの注目を集めています。
新型機ではディスプレイサイズが7.9インチに拡大され(旧モデルは6.2インチ、有機ELモデルは7.0インチ)、解像度もフルHD(1920×1080)へとアップグレードされました。また、新たに120HzのリフレッシュレートとHDR対応という点も大きな特徴として話題になっています。
しかし多くのユーザーが疑問に思ったのは、なぜ任天堂が有機ELモデルで導入したはずの有機ELディスプレイを採用せず、あえて液晶ディスプレイに戻したのかという点です。
なぜLCD液晶を選んだのか?

任天堂の笹木哲也氏(技術開発部門のゼネラルマネージャー兼技術開発部シニアディレクター)は、この決断について「軽い決断ではなかった」とIGNが主催したQ&Aセッションで語っています。
「開発期間中にLCD技術には多くの進歩がありました。現在利用できる技術を検討した結果、多くの考慮の末、LCDに固執することを決定しました」と笹木氏は説明しています。
笹木氏はさらに、Switch 2がHDRをサポートしていることを特に強調しました。「Nintendo Switch(有機ELモデル)ではHDR互換性のサポートがありませんでしたが、Switch 2では対応しています」と述べています。IGN
HDRと120Hzの両立
任天堂の決断の背景には、ディスプレイ技術の選択と新機能の両立という課題があったと考えられます。NotebookCheckの報告によると、「Nintendo Switch 2では、HDRサポートのために液晶ディスプレイを選択した」と述べられています。NotebookCheck
PCMagの記事では、「Switch 2のスクリーンには、別の大きな利点がある。1080pスクリーンのリフレッシュレートは120Hzで、オリジナルのSwitchの60Hzリフレッシュレートの2倍だ」と説明されています。PCMag
これらの情報から推測すると、任天堂はHDRとVRR(可変リフレッシュレート)対応の120Hzという高度な表示機能を実現するために、現時点の技術と価格を考慮した結果、LCDが最適だと判断したと考えられます。
液晶ディスプレイの進化
有機ELディスプレイは深い黒色と高コントラストが特徴ですが、最新の液晶技術も大幅に進化しています。Switch 2に採用されたLCDは「広色域LCD」と表現されており、通常の液晶よりも色彩表現が向上しています。
PCMagの記事では「Switch 2のスクリーンは色に関して、オリジナルSwitchのLCDからはアップグレードされている」と述べられており、色の飽和度が良好であることが確認されています。PCMag
Redditなどのソーシャルメディアでも「Switch 2のLCDはSwitch OLEDよりも高い色精度と明るさを持っている」という声が上がっており、実際のパフォーマンスは期待以上であるようです。
まとめ
Nintendo Switch 2で任天堂が有機ELではなく液晶ディスプレイを選んだ主な理由をまとめると:
- HDRとVRR対応の実現: HDRと最大120Hzの可変リフレッシュレートを実現するために最適な選択だった
- 液晶技術の進化: 開発期間中に液晶技術が大幅に進歩し、広色域対応や高輝度など性能が向上した
- 総合的な判断: 性能、コスト、製造の容易さなど、多くの要素を考慮した結果の決断
任天堂が「多くの考慮の末」という表現を使っていることからも、単純なコスト削減ではなく、Switch 2で提供したい体験を最適に実現するための技術選択だったと考えられます。液晶でありながらもHDRや120Hz対応を実現したことで、ゲーム体験の質は確実に向上するでしょう。
最終的に、任天堂の選択はハードウェアスペックの単純な比較ではなく、実際のゲーム体験を最適化するための戦略的な判断だったと言えるでしょう。
Nintendo Switch 2の発売日である2025年6月5日が近づくにつれ、この新しいディスプレイ技術がゲーム体験にどのような影響をもたらすのか、実際に体験するのが楽しみです。